カツラの木
高尾山の北側、日影沢の登山口辺りは
秋になるとカツラの木が放つ甘い、
綿菓子のような香りがたちこめています。
葉を落とす前に葉と枝の間に壁ができて
それでも光合成をしている葉がつくった
糖分が行き場をなくしてたまっていき
それが色づくのが紅葉のメカニズムですが
(だからメープルなど糖分の多いカエデの
仲間はよく紅葉する)
葉が落ちる時にその糖分が、取れた茎から
あふれだすのかこぼれおちるのか
森中に甘い香りがするようになります。
春には葉より先に赤い花を咲かせて
森林上部が燃えたような色づきを見せ
花が実になったものはミニチュアの
バナナのようで、それもかわいい。
秋には甘い香りで呼びかけてくるような
カツラの木が、いつの間にか一番好きな樹木に
なりました。
井の頭公園でやっている太極拳の場所にも
カツラの木があって、やはり今頃は
甘い香りをさせています。
都心の公園などにもあるかもしれないので
木々があるところで甘い香りがしたら
縦じまの樹皮のカツラを探してみてください。